ウォン・カーウァイ監督の『いますぐ抱きしめたい』と『欲望の翼』が4Kレストア版で蘇り、特集上映「ウォン・カーウァイ ザ・ビギニング」として、12月8日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下にて劇場公開される。
昨年、ウォン・カーウァイ監督作品『恋する惑星』、『天使の涙』、『ブエノスアイレス』、『花様年華』、『2046』が、4Kレストア版で劇場公開されたのに続き、2005年の劇場上映以来の劇場公開(ハーク調べ)となるデビュー作『いますぐ抱きしめたい』と、レスリー・チャンやマギー・チャンら豪華キャストで贈る監督第2作品『欲望の翼』の初期傑作2本が、4Kレストア版でスクリーンに蘇る。
『欲望の翼』の予告編はデジタルリマスター版上映時に作成されたものを4Kレストア版として復活させた。
1960年香港、都市に生き、自由を求める若者たちの孤独と恋愛模様を描いた群像劇。のちに何度もタッグを組むクリストファー・ドイルをはじめて撮影監督に迎え、説明や構成よりもムードや気配を際立たせる詩的なスタイルを確立した第2作。
プイグや村上春樹など文学作品からの影響、ラテン音楽の起用、レスリー・チャンら大スター6人の豪華競演──すべての要素が奇跡的なバランスで絡み合う『欲望の翼』は、とびきりメロウでメランコリックな、WKW映画のひとつの特異点と言える。1991年香港電影金像奨5部門(作品賞、監督賞、最優秀男優賞、美術賞、撮影賞)受賞。デジタル・リマスター版ではカットされていた約1分間のシーンが復活し、オリジナル・バージョンでの公開となる。
出演:レスリー・チャン、マギー・チャン、カリーナ・ラウ、ジャッキー・チュン、アンディ・ラウ、レベッカ・パン、トニー・レオン
監督・脚本:ウォン・カーウァイ
製作:ローヴァー・タン
製作総指揮:アラン・タン
撮影:クリストファー・ドイル
美術:ウィリアム・チャン
1990年/香港/カラー/95分
【ストーリー】
「1960年4月16日3時1分前、君は僕といた。この1分を忘れない。君とは“1分の友達”だ。」ヨディ(レスリー・チャン)はサッカー場の売り子スー(マギー・チャン)にそう話しかける。ふたりは恋仲となるも、ある日ヨディはスーのもとを去る。ヨディは実の母親を知らず、そのことが彼の心に影を落としていた。
ナイトクラブのダンサー、ミミ(カリーナ・ラウ)と一夜を過ごすヨディ。部屋を出たミミはヨディの親友サブ(ジャッキー・チュン)と出くわし、サブはひと目で彼女に恋をする。スーはヨディのことが忘れられず夜ごと彼の部屋へと足を向け、夜間巡回中の警官タイド(アンディ・ラウ)はそんな彼女に想いを寄せる。60年代の香港を舞台に、ヨディを中心に交錯する若者たちのそれぞれの運命と恋──やがて彼らの醒めない夢は、目にもとまらぬスピードで加速する。
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